回数券は、多くの整骨院・整体院などで販売されています。
都度払いよりも、一回あたりの料金が安くなるという点は回数券の最大のメリットです。
しかし、回数券のデメリットは「返金・返品ができない場合が殆ど」という点に尽きます。
私が経営する整体院にお越し頂いている方々の中でも、回数券の返金・返品ができなかった経験をお持ちの方は多くいらっしゃいます。
回数券は返金・返品できないの?
結論から申し上げます。
回数券が返金・返品できるか、できないかは「施設の判断により異なります」
下記で詳しくご説明致しますが、整骨院・整体院などの施設側には、返金・返品に応じる義務は発生しません。
クーリング・オフは適応されないの?
「返金・返品に応じないなんてアリなの?」
「クーリング・オフ制度の適応になるのでは?」
という疑問をお持ちになる人も多いはずです。
回数券のクーリング・オフ制度に関しては「横浜市消費生活総合センター」の解説内容が非常に分かりやすく参考になりましたので引用し掲載させて頂きます。
訪問販売や電話勧誘販売など、不意打ち的な勧誘による契約や複雑な契約などの場合、クーリング・オフ制度が設定されていますが、自ら店舗に出向き購入した場合については、特定商取引法に関する法律の対象ではないため、クーリング・オフ制度は適用されません。また、契約書面の交付義務も課されていません。
整体院で購入した回数券のクーリング・オフは?|相談したい|横浜市消費生活総合センター (yokohama-consumer.or.jp)
上記の文面をご覧いただければお分かり頂けるように、回数券の購入はクーリング・オフ制度の対象外となります。
つまり、整骨院・整体院側には返金・返品に応じる義務は発生しないため、施設判断で問題がないという結論に至ります。
エステでは返金に応じて貰えたけど整体では応じてもらえないの?
なかには「エステでは中途解約・返金に応じて貰えたのに何で整体では応じて貰えないの?」という疑問を持たれる人もいらっしゃいます。
エステ施設は、特定商取引法の「特定継続役務提供」の対象に該当するため「クリーング・オフ制度」・「中途解約」に応じる義務が発生します。(参照:特定継続的役務提供|特定商取引法ガイド (caa.go.jp))
しかし、整骨院・整体院などは「特定継続役務提供」の対象には該当しないため、エステ施設とは異なります。
また、エステ施設は「3ヶ月コース」など、一定期間を設けたうえで、まとめた額を請求するケースが大半です。
対して整骨院・整体院では、あくまでも「回数券」というチケットをまとめて販売しているという点もエステ施設とは違います。
ちなみにエステ施設のような形態と同じ販売方法を取る施設でパーソナルジムがありますが、現時点でパーソナルジムは特定継続役務提供の対象施設には該当されないため「クーリング・オフ制度」・「中途解約」に応じる義務は発生しません。
返金に応じてくれる可能性があるケースは?
ここまでご覧頂ければ、整骨院・整体院は回数券の返金・返品に応じる必要がないことが分かるでしょう。
しかし、場合によっては整骨院・整体院でも回数券の返金・返品に応じてくれる可能性があります。
- 転勤等で遠方へ引っ越す場合
- 病気・事故等で入院が必要な場合
- 医師から整骨院・整体院の通院を禁じられた場合
上記のような場合は「やむを得ない理由」として返金・返品に応じてくれる整骨院・整体院も存在します。
まずは施設側に相談をしてみないことには、返金・返品が行われることはありません。
ダメ元でもお願いしてみる価値は十分にあると思います。

後悔しない回数券の買い方
返金・返品に応じて貰えない可能性が高いことから、整骨院・整体院などで回数券を購入する場合は慎重な判断が必要です。
以下で、回数券を買う場合に気を付けて頂きたい「後悔しない対策方法」をご紹介致しますので是非参考にされてください。
- 初回は回数券を買わない
- 10回以上の回数券は買わない
- 〇〇回の通院が必要です←信用しない
初回は回数券を買わない
初回は整骨院・整体院などに限らず、どこの施設でも通常以上に良いサービスを受けることができる傾向にあります。
本当の施設の姿を見ることができるのは、3~5回程度通われた頃が目安です。
数回通われたのちに、施術力・スタッフの対応・金額等を総合的に見て「これからも通い続けたい」と思ったタイミングで回数券を買うことをおすすめ致します。
もちろん、整骨院・整体院側から初回時に回数券を勧められることもあります。
その場合は、勇気を出して断りましょう。
10回以上の回数券は買わない
回数券は回数が多いものほど、1回あたりの料金が安くなっているため「お得感」があります。
しかし、リスクも伴います。
先述したように整骨院・整体院などの回数券は返金・返品に応じてもらえない場合が殆どです。
様々な理由がありますが、回数券を買っても「途中で通うことをやめる人」は少なくありません。
リスクを最小限に留めるという意味でも10回以上の回数券は買わないことをおすすめ致します。
〇〇回の通院が必要です←信用しない
「〇〇さんのような症状の場合は〇〇回の通院が必要ですので回数券の購入がお得ですよ」という案内をされることがあります。
今後の見通しをしっかりと案内してくれる良心的な整骨院・整体院の場合もありますが「回数券を売るための常套句」として案内している整骨院・整体院などが存在することも事実です。
対策として、30回・40回など高頻度・高額な回数券を案内された場合は一度考える時間を設けることが大切です。
周囲の人に相談したり、他の整骨院・整体院などに相談してみても良いでしょう。
こんな人は回数券がおすすめ
回数券のネガティブキャンペーンのような記事になっていますが、決して回数券を全否定しているわけではありません。
以下のような人は、回数券を買うことで効果が出やすい傾向にあります。
- サボり癖のある人
- 飽き性な人
- 予算に余裕がある人
あらかじめ回数券を購入することで「絶対に通わなければ」という危機感を持つことができます。
回数券は先行投資のようなものです。
元を取るために通わなければ自分が損をしてしまう。という状況を作りあげることで、上記のような人でも通院を継続することができるというメリットがあります。
最後に
いかがでしたか?
この記事は、少しはお役に立てましたでしょうか?
ひとりでも多くの人が、整骨院・整体院における回数券の返金トラブルで後悔することのないように願っております。