ぎっくり腰はクセになる
15年間、整体院を経営していますが利用者さんから何度も聞いた言葉です。
このページをご覧いただいている方のなかにも「ぎっくり腰はクセになる」と思っている方は多いのではないでしょうか?
そんな方にはっきりとお伝えさせていただきたいことがあります。
ぎっくり腰はクセになりません。
- 現接骨院院長(ゆらぎ整骨院)
- メディカルフィットネス施設勤務経験
- 15年以上、整体&睡眠改善相談を行う
ぎっくり腰がクセにならない理由
ぎっくり腰がクセにならない理由はシンプルです。
ぎっくり腰がクセになると思っている方は、ぎっくり腰が一旦完治したのちに再発をしたと思い込んでいる場合がほとんどですが、実はそもそも、ぎっくり腰が完治していない状態であれば「クセになる」という定義自体が成り立たなくなります。
つまり、ぎっくり腰がクセになると思っている方のほとんどが「ぎっくり腰がきちんと良くなっていない」ということです。
「痛みがなくなる=完治」ではない
ぎっくり腰では、以下のような症状がでることがあります。
- 腰やお尻にかけて激しい痛みがある
- 起き上がろうとすると腰が抜けるような感覚がある
- ずっと同じ姿勢でいると痛みが強くなる
- 日常生活の動作が困難になる
ぎっくり腰(正式名称:急性腰椎症)というチャーミングな名前ですが、その辛さは体験した人にはお分かり頂けるでしょう。
症状の酷い人では、日常生活をまともに過ごすことすら困難となります。
そんなぎっくり腰において、最も優先されることは「症状の緩和」だということは言うまでもありません。
実際に医療機関では、症状を抑えるために「鎮痛薬」「湿布薬」などが処方されます。
整骨院・整体院などにおいても、痛みなどの症状を抑えるために電気療法・冷罨法・超音波などを施すことが多いでしょう。
ぎっくり腰の症状においては、個人差はありますがおおよそ「1~2週間程度」で緩和されていきます。
しかし、症状が緩和されるという状態は「ぎっくり腰そのものが良くなったという状態ではありません」
「原因改善=良くなる」ということ
上図は、ぎっくり腰になるまでの過程を表したものです。
ぎっくり腰が起こる過程は「原因」⇒「きっかけ」⇒「結末(ぎっくり腰発症)」の順番で起こります。
しかし多くの人が、ぎっくり腰になってしまった時に目を向ける部分は「きっかけ」です。
使い過ぎ・筋力不足・歳のせいなどは、ぎっくり腰になってしまう「きっかけ」に過ぎません。
きっかけとは、原因がなければ成り立たないものです。
ぎっくり腰になってしまった「原因」を見つけ出し解決すれば、ぎっくり腰が繰り返すことはありません。
そして、この「原因」を解決したときに初めて「ぎっくり腰が良くなった」と言えることになります。
原因は日常生活に潜んでいる!?
ぎっくり腰になってしまう「原因」とは、どのようなものがあるのでしょうか。
実は、15年以上の経験から最も多い「原因」は、日常生活に潜んでいることが分かっています。
- 普段から脚をくむクセがある
- 横座り・お姉さん座りをするクセがある
- 床に座ることが多い
- ソファやベッドは柔らかめを使用している
上項目はあくまでも氷山の一角です。
日常生活の姿勢や身体の使い方を間違えることで、身体のバランスが崩れたり・筋肉に余計な負担を掛けてしまうことになります。
この負担がやがて「ぎっくり腰」という形で姿を現すことになるのです。
もちろん、ぎっくり腰だけでなく「慢性腰痛」「肩こり・首こり」などにおいても同じことが言えます。
ぎっくり腰を2度と繰り返さない方法
ぎっくり腰を繰り返さないためには「ぎっくり腰をしっかりと良くする」ことが大切。
そして、ぎっくり腰を良くするためには「ぎっくり腰になる原因を改善させる」ことが重要。
改善すべき「原因」は個人差がありますが、代表的な原因は上記の通りです。
まずは、ご自身の日常生活を見直し改善させることこそが、ぎっくり腰を繰り返させない唯一の方法となります。
「期待外れ・そんな内容か」と思った人は要注意
今回の内容をご覧頂いて「期待はずれ」「大した内容じゃない」と思った人は注意が必要です。
おそらく、そのような人は以下のような結論を求めていませんでしたか?
- ぎっくり腰を繰り返さないためには、〇〇ストレッチをしろ!
- 〇〇商品を使えばぎっくり腰を繰り返さない!
このような断定的・特定的な結論は一見耳障りが良いため、ご覧頂いている人の目にもとまりやすいことは事実です。
しかし、人の身体は全員が同じではありませんし、断定的・特定的な結論を下させるほど単純ではありません。
しかも、殆どがぎっくり腰の「きっかけ」に目を向けた内容です。
このような情報におどらされることのないよう、まずはご自身をしっかりと見つめ直すことからはじめてみましょう!