知らないと怖い整骨院の話&体験談を現役院長が解説

正直なところ、整骨院に関する話って良い話よりも、良くない話のほうがよく耳にする印象があるんですよね…。

というのも、わたし自身、現在大分市で整骨院を経営していますが、学生時代には整骨院へ通っていた経験がありますし、過去には大きな整骨院での勤務経験もあるため、色々な経験をしてきています。

そんなわたしが整骨院へ通われている人や、これから通う人へ言いたいことは、

知らないと怖いこともありますよ!

ということです。

では、知らないと怖いことって実際にはどのようなことなのでしょうか?

詳しく解説していきます。

お話する内容は一部の整骨院でのお話です。よく、「ほとんどの整骨院が不正請求をしている!」と大きな主語で仰る人がいますが何の根拠もありません。ただし、ご自身を守るためにもお近くの整骨院が以下のような整骨院でないことを確認してみてください。

目次

知らないと怖い整骨院の話【保険編】

実際に整骨院へ行くときに知らないと怖い思いをする可能性がある話を詳しくお伝えしていきます。

まずは、多くのトラブルを生みやすい保険に関する怖い話をしていきます。

整骨院での保険適応は限定されている

整骨院で保険が使えるのは限定的な場合だけです。

具体的には、急性の外傷性の負傷(骨折・脱臼・打撲・捻挫・挫傷)のみが保険適用の対象となっています。

つまり、慢性的な肩こりや腰痛、疲労による筋肉痛などは本来保険適用外なのです。しかし、多くの整骨院では「昨日重いものを持って腰を痛めた」などの理由をつけて保険請求を行っている実情があります。

また、整骨院での療養費支給について、多くの人が誤解している点があります。

実は、患者さんは整骨院に対して療養費の請求を「代行してもらっている」立場にあるのです。本来、整骨院での施術はすべて自費が原則ですが、急性の外傷に限っては「受領委任」という仕組みにより、整骨院が患者さんに代わって請求を行うことが認められています。

何が怖いの?

受領委任は、患者が整骨院へ請求代行を依頼している形になっているため、「知らなかった」では済まされないケースもあります。現に、令和4年6月1日より、保険組合ごとに保険施術の必要があるかを確認する必要がある患者に対して受領委任(保険を使用して自己負担金を支払う従来の方法)の取扱いを中止し、償還払い(窓口は全額負担、のちに書類を準備して役所に提出する方法)に変更できるようになっています。

参照元:療養費の改定等について|厚生労働省 (mhlw.go.jp)

知らないうちに部位が増えている&変わっている

知らないうちに請求部位が増えていたり、変わっていたりすることも整骨院では散見されます。

例えば、腰痛で来院したのに、気がつくと首や肩も保険請求されているケースがあります。なぜ、患者の訴える部位以外の部位を増やすのかというと「請求額が増えるから」です。

また、患者に説明なく部位名を変更していることもあります。例えば「腰部捻挫」で始まったものが「頚部捻挫」に変わっていたりするのです。これは部位転がしと言って、一定期間同じ部位で請求すると減額されたり、審査が厳しくなるのを防ぐために整骨院側が使う手法のひとつです。

何が怖いのかというと、これらは書類上では患者の同意のもとで行われています。従って、何か不正請求が疑われたときには患者自身も審査されてしまうのです。

何が怖いの?

整骨院側が勝手に行ったことであっても書類上では「受領委任」という形で患者が整骨院へ請求代行を依頼している形になるため、相応のチェックが患者側にも入ることが考えられます。つまり、結託していたのでは?という疑いが掛けられるということです。

知らないうちに保険請求されている

患者さんの同意なく保険請求が行われているケースもあります。

たとえば、「今日は自費で」と言ったにも関わらず、後から保険請求されていることもあります。

また、実際には来院していない日についても「継続治療」として保険請求される場合があります。これは明らかな不正請求であり、患者さんも共犯者とみなされる可能性があるため注意が必要です。

保険を使用する場合は必ず患者さんの署名が必要ですが、何の説明もなく署名だけを求めるケースや代筆をして請求を行うケースなども実際に起こっています。

何が怖いの?

こちらも同様に患者側にも一定の疑いが掛けられる可能性があります。何度も言いますが知らなかったでは済まされない可能性があるということです。

保険を使っても大して安くならない

保険を使っても大して安くならないケースもあります。

多くの人は、保険を使って安く通えると思っていますが、整骨院の多くは保険施術に実費施術を併せています。

たとえば、「今の腰痛を良くするには骨盤矯正も行う必要がありますが、骨盤矯正は実費になります」のような展開で、保険施術と実費施術を同時に行うと、窓口での支払いが2000~3000円程度になることもざらです。

このような場合、正直なところ保険を使っても大して安くなっておらず、整骨院側が儲かるだけの仕組みになっています。

何が怖いの?

保険が使える整骨院ばかりを探している人が多いですが、結局のところ大して費用は変わりませんよ。ということです。保険で何回も通って時間と費用を浪費するのと、自費で低回数で通うのと、大きな差はありません。

知らないと怖い整骨院の話【回数券編】

回数券の販売は整骨院の重要な収益源となっていますが、患者さんにとって本当にメリットがあるのか疑問に思うケースも少なくありません。

回数券の勧誘が凄い

「今なら10回分で8回分の料金」

「回数券を買えば優先的に予約が取れます」など、魅力的な言葉で回数券を勧めてくる整骨院はかなり多い印象です。

特に、初回施術後の「症状が改善するまでに最低でも10回は必要です」といった説明とセットで回数券を勧められることが多く、患者さんとしては断りにくい状況になります。

なかには「今日中に決めてもらえれば特別価格で」といった緊急性を演出する営業手法を使う整骨院もありますが、あくまでも回数券を売るための手法です。患者さんのことを本当に思っているのであればこのような手法は使いません。

何が怖いの?

業界では整骨院を売るためのセミナーなどもあります。また、回数券を売るごとに従業員がインセンティブを貰える整骨院を存在するようです。本当に不調をよくしたいと通っているのに、肝心の施術者が回数券を売ることしか考えていないって怖くないですか?

回数券って実は得でも何でもない

回数券って実は大して得じゃないんです。

例えば、10回分で8回分の料金という場合、割引率は20%程度ですが、これは1回あたりの施術費を最初から高く設定している可能性があります。

また、回数券を購入すると「せっかく買ったのだから」という心理が働き、本来なら必要のない回数まで通院してしまうことがあります。これは患者さんにとって時間的にも経済的にも損失となるでしょう。

さらに、症状が改善した後も回数券の残りを消化するために不要な通院を続けることで、時間的損失が大きくなります。

返金ができない

整骨院の回数券は返金ができないケースが大半です。最近でも、大手整体グループが倒産したさいに回数券の返金が出来ずに物議をかもしていました。

会社が倒産しても回数券の返金ができないのであれば、結果出ないから、転勤するからなどのケースでも回数券の返金は望みが薄いと思ったほうがよいでしょう。

唯一の対策は、買わないこと。これに尽きます。

知らないと怖い整骨院の話【トラブル編】

整骨院での施術におけるリスクについて、患者さんが知っておくべき重要な問題があります。

悪い病気を見逃すことがある

整骨院は医療機関ではないため、レントゲンやMRIなどの検査機器を使用することができません。そのため、重篤な疾患が隠れていても見逃してしまう可能性があります。

例えば、腰痛だと思って整骨院に通い続けていたところ、実際は腎臓の病気や内臓の腫瘍が原因だったというケースも報告されています。また、骨粗鬆症による圧迫骨折を単なる筋肉痛と判断してしまう場合もあります。

まともな整骨院であれば、症状が一定期間改善しない場合や普段と様子がおかしい患者さんなどがいれば医療機関への受診を促すのですが、利益のために患者さんを長期間通院させたい思いから医療機関への受診案内を怠る整骨院が存在することも事実です。

骨折や神経障害のトラブルも存在する

不適切な手技により、骨折や神経損傷などの重篤な合併症が発生することがあります。特に高齢者や骨粗鬆症の患者さんでは、強い手技により肋骨骨折や圧迫骨折を起こすリスクがあります。

頚椎(首の骨)への強い手技では、椎骨動脈損傷による脳梗塞や、神経根損傷による手足の麻痺が起こる可能性もあります。これらは生命に関わる重篤な合併症です。

施術者の技術レベルや知識に問題がある場合、このようなリスクは高くなります。また、大きな整骨院などでは国家資格を持たない無資格者が施術を行っているケースも存在するため、事前に施術者の資格の確認を行うようにしましょう。

まとめ

知らないと怖い整骨院の話を紹介させていました。

みなさんの身近にある整骨院は大丈夫そうですか?

正直なところ、ひとつでも該当する整骨院であれば、他の整骨院への転院をおすすめします。

数ある整骨院のなかで利益優先のあくどい経営をしているところは山ほど存在します。しかし、良心的な経営をしている整骨院も存在するため、少し遠くても、少し高くてもそのような整骨院へ通われることをおすすめします。

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