朝起きると腰が痛い…。慢性的な腰痛がある…。
もしかして、これってマットレスのせい?
国民が訴える体の不調で男性1位・女性2位(※1)の腰痛。
国民病とも揶揄される腰痛ですが、わたしが15年以上経営している「ゆらぎ整骨院」へ来院される方の中には
「マットレスを替えたら腰痛が治ったのよ!」
と口にされる方がいらっしゃいます。それも、1人、2人ではありません。思い返すだけでも100人以上はいます。
でも、本当にマットレスを替えて腰痛が治るなんてことがあるのでしょうか?にわかに信じがたいと思いませんか?
本ページでは、そんな方へ実際にマットレスを替えたら腰痛が治った方の体験談と、15年以上の腰痛施術歴を持つわたしの知識を交えながら「マットレスで腰痛が治った」ことについて詳しく解説させていただきます。
マットレスで腰痛が治ることってあるの?
マットレスで腰痛が解消されることはあります。
これは、実際に整骨院にお越しいただいている方の中にも、マットレスを買い替えて腰痛が解消された方が何人もいらっしゃることに加えて、筆者自身も同じ体験をしていることが何よりの証拠です。
ただし、ひとつだけ専門的な立場から言わせてください。
みなさんの言う「腰痛が治った」という表現は、あくまでも「腰の痛みが緩和・解消された」という意味を指しているのだと思います。
この状態は、残念ながら腰痛の症状が緩和しているだけに過ぎず、腰痛が根本から治っているわけではありません。
つまり、マットレスを替えたことで腰痛が緩和・解消されることは十分にありますが、マットレスだけでは腰痛を根本から治すことは難しいというのがわたしの見解です。
それでも、マットレス選びはマットレスを根本から治すピースのひとつであることには変わりありません。
腰痛対策には、優れたマットレス選びが必要になることは事実です。
マットレスで腰痛が治った実例紹介(当院の来院者さんの声)
では、実際に当院にお越しの方のなかで、マットレスで腰痛が治ったという方の実例を紹介していきます。
【実例①】毎朝の腰痛がスッと消えた!50代女性・Aさんの体験談
Aさんは、毎朝ベッドから起き上がるときに「うっ」と声が出るほどの腰痛に悩まされていました。
整骨院で施術を続けていく中で、睡眠中の姿勢が腰に負担をかけている可能性があると考え、マットレスの変更をアドバイス。
それまで使用していたのは10年以上使い続けていた低反発のウレタンマットレス。沈み込みが強く、寝返りも打ちづらい状態でした。
そこで、高反発のウレタンマットレス(ニトリ製高反発シングルマットレス・Nスリープ プラスエア NF004・硬さ170N)に変更。すると、3日目には起床時の痛みがほぼ解消され、その後も痛みの再発はなし。
Aさんは「もっと早く替えておけばよかった!」と驚かれていました。
【実例②】朝のストレッチがいらなくなった!30代男性・Bさんの体験談
デスクワーク中心のBさんは、起きたときに腰を伸ばさないとスッと動けない状態が毎日続いていました。
もともと敷布団派でしたが、腰へのフィット感を重視して厚みのあるマットレス(IWONUマットレス)に変更。
「最初はちょっと硬いかなと思ったけど、寝返りがしやすくて、翌朝のダルさがなくなりました。1週間くらいで朝のストレッチをしなくても体が軽いと感じたんです」
マットレスの硬さと寝姿勢が変わったことにより、腰への負担が軽減されたケースです。
【実例③】整骨院通いが不要に?40代女性・Cさんの体験談
Cさんはもともとぎっくり腰の経験もあり、季節の変わり目に腰痛が悪化しがちでした。
整骨院での定期的な施術に加えて、毎日のセルフケアとして「寝る環境の見直し」に着手。
思い切って、柔らかすぎるマットレスから体圧分散型のモットに買い替え。
その結果、「1ヶ月後には、痛み止めの湿布を使う回数がゼロになりました」と喜びの声をいただきました。
Cさんは今も「睡眠の質が変わると、腰の感じもこんなに違うんですね」と実感されています。
SNS&ブログの口コミ評価の声
SNSやブログでもマットレスを替えたら腰痛が解消したという口コミをよく目にします。
どのマットレスに買い替えて腰痛が解消されたのかは口コミ毎に異なるため、SNSやブログで情報を収集し過ぎると返ってご自身の買い替えるマットレスに迷いが生じることになるためほどほどにしておきましょう。
腰痛が「治るマットレス」と「悪化するマットレス」の違いって何?
腰痛対策としてマットレスが重要であることは間違いありませんが、マットレスによって腰痛が悪化してしまうケースもあります。
「マットレス」という同じジャンルの物を使用しているにも関わらず、腰痛を解消してくれる一方で、腰痛が悪化してしまうという両極端の結果が出てしまうのは何故なのでしょう。そこには何の違いがあるのかを解説していきます。
寝返りのうちやすさ
腰痛対策として優れているマットレスは総じて寝返りがうちやすいマットレスであることが多いです。
睡眠中の寝返りは、腰への負担を軽減させるだけでなく、レム睡眠・ノンレム睡眠の切り替えにも関与するため質の高い睡眠には欠かせません。
マットレスにとって寝返りのうちやすさを左右する性能が「反発力」です。
反発力が高ければそれだけ寝返りの際のサポートになります。特に、女性や高齢者などは反発力の高いマットレスにすることでスムーズな寝返りがうちやすくなるでしょう。
また、マットレスのサイズも寝返りのうちやすさに関与します。
マットレスの横幅が狭すぎると、無意識のうちに寝返りをうつのを控え結果的に睡眠の質を低下させてしまうリスクがあるため、女性はシングル以上、男性であればセミダブル以上のサイズを選ぶようにしましょう。セミシングルは価格が安くコストパフォーマンスが高いですが、寝返りのうちやすさからみるとおすすめできません。
硬さ
腰痛が解消されやすいマットレスの多くは「硬さ」がある程度しっかりとしています。
よく「硬いマットレスは腰痛を悪化させますか?」という質問をいただきますが、決してそんなことはありません。むしろ柔らかいマットレスのほうが腰痛悪化のリスクが高くなります。
理由は、柔らかいマットレスのほうが睡眠中の姿勢が崩れやすいからです。
柔らかいでは、睡眠中にお尻や背中などが沈みこんでしまい腰に負担を掛ける一方で、硬いマットレスは睡眠中の姿勢が安定します。
ただし、あまりにも硬すぎるマットレスではかえって筋肉に負担を掛けてしまうリスクも伴うため「150~170N」の硬さのマットレスを選ぶようにしましょう。
通気性の良さ
通気性が良いマットレスは腰痛解消の期待が高くなります。
理由は、寝ているときの体温変化です。
人の体は、睡眠中には体温(深部体温)が下がります。体温を下げることで体を省エネモードに切り替えて、日中働いている筋肉や内臓を休めるのですが、通気性の悪いマットレスによる体温を下げきることが出来ないと睡眠の質が下がり筋肉や内臓を休めることができずに結果的に腰痛が悪化してしまいます。
マットレスにとって通気性の良さを左右する一番の要因が「素材」です。
中でもファイバー系素材のマットレスは繊維状に構造されているため空気の通り道が十分にあり通気性抜群のためおすすめです。また、通気性が悪いとされていたウレタン系素材も近年では改良が重ねられ通気性が良い物も増加しています。
柔道整復師のおすすめマットレスは?
多くのマットレスを見てきたなかで、柔道整復師のわたしがおすすめするマットレスは以下のふたつです。
- ニトリNスリーププラスエア NF004・170N
- モットンマットレス(通販)
ふたつのマットレスのおすすめポイントは「寝返りのうちやすさ」に尽きます。
寝心地は人によって好みが分かれますが、寝返りのうちやすさは反発力に比例する傾向があります。このふたつのマットレスは反発性に優れており、寝返りがスムーズにうてるため少々寝心地が合わないと感じても、結果的に質の高い睡眠がとりやすくなるのです。
ニトリは、お近くの販売店でお求めいただけますし、モットンは通販でお求めいただけます。よろしければお試しください。
マットレス以外の腰痛対策も忘れずに
腰痛対策におすすめのマットレスをご紹介させていただきました。
冒頭でも申しあげたとおり、マットレスだけでは腰痛の根本改善はできません。腰痛を本当に改善させたいのであれば、日常生活の姿勢の見直しや運動習慣を身に付ける必要があります。
これは、腰痛だけでなく肩こりなどの不調のおいても同じことです。もし、ご自身の腰痛の原因がはっきりとしない場合は整骨院や鍼灸院などの専門施設に頼ってみるのも良いでしょう。
みなさんの腰痛が1日でも早く解消するよう願っております。