整骨院で安い施術受ける方法を「保険を使う」だと勘違いされている方へ

保険を使えば整骨院へ安く通えるよ!

実費で通うなんてもったいない!

何でも保険使ってくれる整骨院もあるよ!

こんな言葉を耳に胼胝ができるほど一般の方から聞いてきました。

その度に、整骨院で16年、みなさんの体と向き合ってきたわたしはこう思うんです。

「あぁ…カモにされてるんだな…」と。

別に喧嘩を売っているわけではないんです。ただ、整骨院側の気持ちからすると、保険を使って安く通えると思っている患者さんほどありがたいことはないのです。

もし、本ページをご覧の人では、以下のような思いを持たれている人は最後までこのページをご覧ください。自分の考えが変わるきっかけになるかもしれません。

  • 保険を使えば安く通えると思っている
  • 保険を使う整骨院を親切だと思っている
  • 保険を使う・使わないは整骨院の責任だと思っている
目次

整骨院で安い施術を受ける方法は保険を使うことではない

残念ですが、保険を使って整骨院へ通っても安く済む保証はありません。

例えば、保険を使って1回600円で整骨院へ通ったとします。おそらく多くの整骨院では、保険を使った患者さんを週1~2回のペースで通わせようするため、月に換算すると2400~4800円の支払いが生じます。

一方、1回の施術費が3500円の実費で通ったとします。実費の場合は、多くの整体院で月1~2回のペースで通わせようとするため、月に換算すると3500~7000円の支払いが生じます。

単純計算をすると、やはり保険を使って通うほうが数値的には安く済みそうです。しかし、毎週のような通う「時間的損失」「交通費」などをトータルで見た場合、果たして1000円程度の安さに意味があるのか?と思う人も少なくないのではないでしょうか。

そもそも保険使っていくらで通ってますか?

先ほどは、保険を使った施術を1回600円と仮定しました。では質問です。

あなたの通っている整骨院は保険を使って毎回いくら支払っていますか?

おそらく客単価を上げなければ経営が成り立たない昨今の整骨院では、保険を使ったとしても窓口の支払いが1000円を超えることはザラです。なかには、3000~5000円程度の料金が掛かりながら保険を使っている整骨院も存在します。

ご存知ない人もいるかもしれませんので、念のために申しあげておくと、支払っている金額のすべてに保険が適応されているわけではありません。整骨院の場合、2回目以降の通院では、高くなっても(3部位請求)490円程度の自己負担金です。

つまり、保険を使って窓口で3000円を支払ったとしても、保険適応された自己負担分は490円が最高で残りの2510円は完全に実費代を支払っていることになるのです。

実費に保険を上乗せされているだけかも!?

続きになりますが、もし保険を使って毎回2000~3000円、またはそれ以上の支払いをされている人は、こう考えるほうが適切です。

「実費に保険を上乗せされている」と。

ちなみに、当院は保険を使わない実費施術でも「3700円程度」です。でも、やろうと思えばこんなやり方で儲けを増やすこともできます。

完全実費だと5000円の施術費が掛かってしまいますが、保険を使えば3700円でお受けできますよ。

それはお得ですね。じゃあ保険を使ってお願いします。

この場合、当院では3700円の施術費を貰いながら、保険分を保険者に請求することができます。つまり、実費施術に保険を上乗せすることができるのです。

5000円という元値なんて、あってないようなものですので好きなように整骨院側が設定できます。要は、「保険を使ったほうが安く受けらる」という認識を患者さんに感じて貰って保険を使って欲しいのです。その方が儲かるから…。

実際、このような方法で保険施術をしている整骨院はごまんと存在します。もちろん、大分市にもです。

支払いが数百円なら得なのか!?

では、保険を使って窓口が数百程度の支払いであれば、安く通えることになるのか?というところも気になりますよね?この場合、月に通う回数によって安く通える方法として成り立ちます。

例えば、後期高齢者だと安い整骨院だと、150円程度で通えますからね。実費で通うよりもはるかに安く通えます。

ただ、このケースでは整骨院側は、かなりの薄利多売状態になるため、頻繁に通ってもらわなければ経営が成り立ちません。言い方は悪いですが、暇な人であれば整骨院へ頻繁に通うことは苦ではないかもしれませんが、大抵の人はできるかぎり回数少なく整骨院へ通いたいですよね?

そんな人にとっては、支払いが安くても頻繁に通わなければならない状況ってどうなのでしょうか?

当たり前のように保険を使ってくれる整骨院は親切なのか!?

「保険を使ってくれる整骨院は親切」と仰る人がいますが、勘違いだと思います。

慢性的な肩こり・腰痛・体のだるさなどに対しても当たり前のように保険証の提出を求める。何なら骨盤矯正・姿勢矯正・ダイエットメニューなどにも保険証の提出を求める。これのどこが親切なのでしょうか?

おそらく、保険を使って整骨院へ通われている方は、整骨院の保険適応範囲を何となく理解されているはずです。もし、ご存知ない方はコチラからご確認ください。

「たぶん自分の症状は保険使えないけど、ここの整骨院では使ってくれるからありがたい」と思いながら通われている人が大半だと予想します。

そんな状況の人に当たり前のように保険を使う整骨院が親切だと思いますか?簡単に言えば、不正をしているんですよ?

でも、本ページのテーマはあくまでも「保険を使うと安く通えるのか?」ですので、不正請求や倫理観の話は一旦置いておきましょう。

結局のところ、頻繁に通わされる・実費も上乗せされて支払いが高くなる・長期間通わされる。こんな状況になっても、保険を使うと安く通えると思えますか?というところが本質的な部分です。

わたしは到底思えません。

不正に保険を使っても整骨院が責任を負うだけ?

「もし不正に保険を使っていたとしても責任は整骨院側にあるんでしょ?」と思われている人も多いのではないでしょうか。

もちろん、不正で罪に問われるのは整骨院であるケースが大半です。しかし、患者側も無関係というわけではありません。

そもそも、整骨院での保険は「受領委任払い」です。本来は、患者が整骨院では全額支払ったのちに保険者へ償還請求をする仕組みを患者が委任状に署名をして整骨院が代行して請求をするというシステムがとられています。

そのため、「整骨院が勝手に保険請求した」という言い分は署名している以上は通らないことになるのです。また、令和4年6月1日より、保険組合ごとに保険施術の必要があるかを確認する必要がある患者に対して受領委任(保険を使用して自己負担金を支払う従来の方法)の取扱いを中止し、償還払い(窓口は全額負担、のちに書類を準備して役所に提出する方法)に変更できるようになったことから、今後更に保険請求に関して厳しい取り締まりがなされることが予想されます。

参照元:療養費の改定等について|厚生労働省 (mhlw.go.jp)

保険適応の有無で整骨院を選ぶのは辞めましょう

適正な保険適応であれば問題はありません。ただし、何でもかんでも保険を使って通える整骨院を探すのは辞めませんか?

目先の料金は安いかもしれませんが、結果的に支払う料金は対して変わらないケースが大半ですよ。それだけの為に自らに火の粉が降りかかるかもしれないリスクをとってまで保険を使ってくれる整骨院へ通うことに何の意味があるのでしょう?

冷静な判断を期待しています。

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