バランスチェアに座ると膝が痛くなるんだけど何で?
当院では、このような質問を受けることがあります。
わたしは柔道整復師として16年以上、整骨院で膝や腰の痛みに悩む多くの人の体に携わってきました。そのなかで、姿勢矯正椅子に関する相談も数多く受けてきましたが、「バランスチェアは膝に悪いのか」という不安の声もそれなりに受けてきました。
膝をパッドに乗せて座るという独特な構造から、「膝を痛めそう」と感じるのは自然なことです。実際に、使い方を誤って膝に違和感が出たと相談に来られる人も稀ですがいます。
結論から申しあげると、バランスチェアは使い方や選び方を誤ると膝に負担をかけることがあります。しかし、正しく選んで正しく使えば、膝への負担を抑えながら使うことは十分に可能です。
本ページでは、柔道整復師の視点から「バランスチェアが膝に悪いと言われる原因」と「膝を痛めない選び方・使い方」を、研究データも交えながら解説していきます。
バランスチェアが膝に悪いと言われる原因

まずお伝えしたいのは、バランスチェアそのものが膝に悪いわけではないということです。膝を痛める人には、はっきりとした原因があります。主な原因は次の3つです。
- 膝・すねに体重の一部がかかる構造
- 膝のお皿まわりへの圧が増える
- 膝裏の圧迫で血流が滞る
ひとつずつ解説していきます。
膝・すねに体重の一部がかかる構造
バランスチェアは、体重の一部を膝とすねで支える構造になっています。
膝置き型のバランスチェアは、前傾した座面から体が滑り落ちないよう、すねのパッドで体を支えます。研究や専門家の解説によれば、このとき体重のおよそ2〜4割が膝やすねにかかるとされています。残りは座面がお尻で支えますが、一般的な椅子では膝にかからないはずの荷重が、常に膝まわりへ加わることになります。
この荷重自体は本来問題のない範囲です。しかし、パッドの質が悪かったり、長時間使い続けたりすると、膝への負担が蓄積し、痛みや違和感につながることがあるのです。
膝のお皿まわりへの圧が増える
膝立ちに近い姿勢では、膝のお皿まわりにかかる圧が増えます。
膝のお皿(膝蓋骨)と太ももの骨が接する関節は、膝を曲げて体重をかけるほど接触する力が大きくなります。バランスチェアの姿勢では、この部分に持続的な圧がかかりやすくなります。
柔道整復師の視点で申しあげると、もともと膝のお皿まわりに不調を抱えている人は、この圧によって症状が悪化する可能性があります。健康な膝であればすぐに問題になることは少ないですが、使いすぎには注意が必要です。
膝裏の圧迫で血流が滞る
座面の前縁が膝裏に当たると、下肢の血流が滞り、しびれやむくみが出ることがあります。
座面とすねパッドの位置関係が体に合っていないと、座面の前の縁が膝の裏側を圧迫してしまいます。ここが圧迫されると、脚の血流が悪くなり、長時間の使用でしびれやむくみを感じることがあります。
これは膝そのものの問題ではなく、多くの場合、座面の高さやすねパッドの位置を調整することで解決できます。調整機能のある製品を選ぶことが、いかに大切かがわかります。
膝を痛めやすい人の特徴

次のような人は、バランスチェアに座ると膝を痛めやすい傾向にあるため、特に注意が必要です。
- もともと膝に痛みや不調がある
- 膝の手術を受けた経験がある
- 足首に問題を抱えている
- 高齢で膝の可動域が狭い
これらに当てはまる人は、膝立ちに近い姿勢そのものが負担になりやすく、短時間でもつらく感じることがあります。無理に使うと症状を悪化させかねません。
妊娠中の人や、下肢のケガから回復している途中の人も、使用前に専門家へ相談することをおすすめします。自分の膝の状態に不安がある場合は、購入前に一度、整骨院や医療機関で相談すると安心です。
膝に負担をかけないバランスチェアの選び方

※画像引用元:https://balanslab.jp/products/balanseasy
膝を痛めないためには、商品選びが何より重要です。ここまで解説してきた原因を踏まえ、選ぶときに押さえるべきポイントをお伝えします。
パッドの厚みと質で選ぶ
膝を守るうえで、すねパッドの厚みとクッション性は最重要ポイントです。
膝やすねに体重の一部がかかる以上、そこを受けるパッドの質が膝への負担を大きく左右します。厚くクッション性の高いパッドは、膝やすねにかかる圧を分散し、負担を和らげてくれます。
逆に、安価な製品にありがちな薄く硬いパッドは、圧が一点に集中して膝を痛める原因になります。安さだけで選ばず、パッドの質は必ず確認しましょう。
高さ・角度を調整できるものを選ぶ
膝裏の圧迫やしびれを防ぐには、高さやすねパッドの位置を調整できる機能が欠かせません。
先ほどお伝えしたとおり、座面の前縁が膝裏に当たると血流が滞ります。これは座面の高さやすねパッドの位置を、自分の体格に合わせて調整することで防げます。
研究でも、座面や膝当ての角度の設定次第で体にかかる負担や不快感が変わることが確認されています(Lei et al., 2026)。自分の膝に合った位置に微調整できるかどうかが、快適さを大きく左右するのです。デザインだけで選ばず、必ず調整機能の有無を確認しましょう。
条件を満たすおすすめ製品
これらの条件を満たす製品として、わたしがおすすめするのは「バランスイージー
」という製品です。
クッション性のあるパッドを備え、高さや角度の調整に対応している点で、膝への負担を抑えたい人の条件を満たしています。膝が不安でバランスチェアをためらっている人にとって、検討する価値のある一脚だと考えています。
いま使っているバランスチェアで膝に違和感がある人も、パッドや調整機能の整った製品への買い替えを検討する価値は十分にあります。合わない椅子を使い続けて膝を痛めるより、体に合う一脚を選ぶことが結果的に近道です。
膝を痛めないバランスチェアの使い方
良い製品を選んでも、使い方を誤れば膝を痛めます。膝に負担をかけないための使い方のコツをお伝えします。
最初は短時間から慣らす
膝やすねに慣れない荷重がかかるため、いきなり長時間使うと膝に負担が集中します。まずは1日30分程度から始め、少しずつ時間を延ばしていきましょう。
また、30分から1時間に一度は立ち上がって歩くことで、膝への圧や下肢の血流の滞りをリセットできます。座りっぱなしにしないことが、膝を守るうえで大切です。
すねパッドの位置を正しく合わせる
すねパッドには、すねが軽く触れる程度に体重を預けるのが理想です。体重の大半はお尻で支え、すねは体を支える補助と考えましょう。
座面の前縁が膝裏を圧迫していないか、すねパッドの位置が体格に合っているかを確認し、圧が一点に集中しないよう調整してください。正しく合わせるだけで、膝の負担は大きく変わります。
膝や姿勢の不安は大分市「ゆらぎ整骨院」へ

バランスチェアを使ってみたいけれど膝が不安、あるいは使っていて膝に違和感がある。そんなときは、ひとりで悩まず専門家の力を借りることをおすすめします。
大分市「ゆらぎ整骨院」では、膝や姿勢の状態を確認したうえで、的確な施術とアドバイスを行っています。回数券の押し売りや次回予約の強要は一切ございませんので、まずはお気軽にご来院ください。


参考文献
Lei X, et al. Assessment of the Effect of Four Kneeling Chair Angle Combinations on Muscle Activity and Perceived Discomfort. Sensors. 2026;26(3):970.
https://doi.org/10.3390/s26030970


