腰痛対策で高反発マットレスを買ったが、翌朝さらに腰が痛くなった…
高反発マットレスが硬くて腰が痛くなるため低反発マットレスに変えたが一向に改善しない…
こんな経験をすると、自分の体には低反発マットレスと高反発マットレスのどっちが合うのか分からなくなりますよね。
今日は、そのお悩みに決着をつけましょう。
申し遅れました。当サイトを運営しています、柔道整復師の中村と申します。
わたしは、これまで15年以上整骨院で腰痛持ちの方々の施術に携わってきました。腰痛を改善するためには、日常生活の姿勢や運動などに加えて「睡眠」も重要になるため、多くの方々に睡眠指導や適切な寝具の選び方をアドバイスさせていただいております。
本ページでは、そんなわたしの経験をすべてお伝えさせていただく形で、腰痛対策には「低反発&高反発マットレス」のどちらがおすすめなのかの決着をつけたいと思います。
ページ下部には、質問&相談が出来るコメント欄を解放しておりますので、ぜひご活用ください!
腰痛対策には「高反発・低反発マットレス」のどっちがおすすめ?

結論から申し上げます。
総合的にみれば「高反発マットレス」が腰痛対策にはおすすめです。
もちろん、低反発マットレスで腰痛が改善したという方も一定数いらっしゃるでしょう。その方々を否定する気はありません。
ただし、整骨院を15年経営してきた柔道整復師としての見解は「高反発マットレスのほうが腰痛対策には優れている」という結論です。
では、なぜ高反発マットレスのほうが腰痛対策におすすめなのかの理由を、それぞれの違いを交えながら解説していきます。

低反発よりも高反発マットレスが腰痛対策におすすめの理由
腰痛対策としてマットレスを選ぶ場合には、低反発よりも高反発マットレスがおすすめである旨は先述したとおりです。
では、低反発よりも高反発マットレスが腰痛対策に優れている点を以下の項目でご紹介していきたいと思います。
- 硬さ
- 反発力
- 通気性
下記で詳しく解説していきます。
硬さによる睡眠姿勢の安定性が優れている

高反発マットレスは低反発マットレスと比較すると、硬さによる睡眠姿勢の安定性が優れているため腰痛対策に優れています。
まず、低反発と高反発マットレスの硬さの違いをご覧ください。
低反発 | ・ふわふわ柔らかく包まれる感覚 ・眠っているときの姿勢が安定しにくい ・およそ100N未満の製品が多い※) |
高反発 | ・硬さはしっかりめ ・眠っているときの姿勢が安定しやすい ・110N(ニュートン)以上の製品が多い※) |
マットレスの硬さは人によって好みがわかれます。
腰痛対策としてマットレスを選ぶときに「自分好みの硬さを選びたい」と考える人も多いでしょう。実際、質の高い睡眠を取るためには大切なポイントです。
ただし、それ以上に大切なポイントがあります。
それが「眠っているときの姿勢がしっかりと安定すること」です。
高反発マットレスは、しっかりとした硬さで、眠っているときの姿勢が安定して崩れにくいメリットがある一方で、低反発マットレスは柔らかい素材がゆえに、眠っているときの姿勢安定しづらく崩れやすいデメリットがあります。
腰痛対策では、睡眠中の姿勢が崩れてしまうことは避けなければならないため、姿勢の安定性という面からみると高反発マットレスのほうが腰痛対策には優れたマットレスだと言えそうです。
反発力のよる寝返りのうちやすさが優れている

高反発マットレスは低反発マットレスと比較すると、強い反発力でスムーズな寝返りがうてるため腰痛対策に優れています。
まず、低反発と高反発マットレスの反発力の違いをご覧ください。
低反発 | ・反発力が低く少し沈む感覚 ・柔らかい~やや硬い ・寝返りがうちづらい |
高反発 | ・反発力は高く弾力性を感じる ・少し~かなり硬い ・寝返りが抜群にうちやすい |
高反発マットレスは、寝返りをうつときに高い反発力で補助してくれるため、寝返りをがうちやすくなります。
腰痛対策として睡眠中の適度な寝返りは重要なポイントです。
実際、腰痛対策として高反発マットレスをおすすめする理由も「寝返りのうちやすさ」が大部分を占めています。
一方、低反発マットレスは、寝返りをうつときの支点が安定せず力が伝わりづらいため、寝返りがうちづらくなります。
寝心地は、人それぞれの好みがありますが、腰痛対策としてマットレスを選ぶ場合には好みよりも反発力を重視して購入することをおすすめします。
通気性が良く睡眠の質が向上しやすい

高反発マットレスは低反発マットレスと比較すると、通気性がよく熱がこもりづらいため睡眠の質が向上しやすい点が優れています。
それぞれの通気性の特徴は以下のとおりです。
低反発 | 体が過度にフィットするため熱の逃げ道がなく通気性が悪い。 |
高反発 | ほどよく熱の逃げ道があるため通気性が良い。 |
高反発マットレスでは、体のすべてがマットレスにフィットしているわけではなく適度にフィットしていない部分があるため熱がこもりづらくなります。
一方で、低反発マットレスは、体のすべてがフィットするため熱がこもりやすくなります。
睡眠の質を向上させるためには、就寝中は深部体温がスムーズに下降していくことが理想です。(※)
低反発マットレスの中にも通気性の良い製品はありますが、物理的に体とのフィット面が少なく熱の逃げ道がある高反発マットレスのほうが通気性が高い傾向にあります。
低反発マットレスって誰に向いているの?
ここまでをご覧いただくと、大半が高反発推しで「低反発を買っても意味がない?」と感じてしまいませんか?
わたし自身、低反発マットレスのネガティブキャンペーンをしたいわけではなく、腰痛対策として低反発と高反発マットレスを比較した結果を素直にお伝えさせていただいているだけです。
ただし、低反発マットレスのほうがおすすめですよ!という人はいます。それは「痩せ型」の人や腰痛持ちの高齢者です。
- 痩せ型・細身の女性(40㎏以下)
- 腰の疾患持ちの高齢者
このような人には、低反発マットレスをおすすめすることがあります。
理由は、高反発マットレスでは硬すぎると感じてしまうからです。
BMI | 判定 |
---|---|
<18.5 | 低体重 |
18.5≤BMI<25.0 | 普通体重 |
18.5≤BMI<25.0 | 肥満(1度) |
18.5≤BMI<25.0 | 肥満(2度) |
18.5≤BMI<25.0 | 肥満(3度) |
40.0<BMI | 肥満(4度) |
参照:肥満と健康 | e-ヘルスネット(厚生労働省) (mhlw.go.jp)
痩せ型の人や高齢者は、高反発マットレスの硬い寝心地に耐えることが出来ません。
そのため、柔らかい寝心地の低反発マットレスを時としてはおすすめしますが、もちろん腰痛対策では、寝返りのうちやすさを重視する必要があります。
そんなときにおすすめのマットレスは、寝心地は低反発マットレスで、寝返りのうちやすさは高反発マットレスを使用したハイブリッド型のマットレスです。

【相談別】低反発と高反発マットレスのどっちがいい?
腰痛対策以外の目的でも、低反発マットレスと高反発マットレスのどっちがいいのか悩むことはありますよね。
以下では実際、わたしが整骨院で受けた相談内容をもとに悩み別に低反発マットレスと高反発マットレスのどっちがいいのかを回答していきます。
朝、腰が痛くなる場合はどっちがいい?
高反発マットレスです。
朝起きたときに腰が痛くなる原因のひとつに、眠っているときの姿勢&寝返り不足があります。
寝ているときは姿勢を安定させながら、適度に寝返りをうつことが大切です。しかし、低反発の場合、姿勢が安定せずに体がフィットし過ぎることで、寝返りをうちづらくなってしまいます。
多少「自分には合わないなぁ」と感じても、眠っているときの姿勢が安定して、寝返りがうちやすい高反発のほうが朝の腰痛対策には有効です。
猫背の解消にはどっちがいい?
高反発マットレスです。
眠っているさいの姿勢は、猫背をはじめとした不良姿勢の原因になります。
高反発は、硬さ・安定性の面からみても眠っているさいの姿勢の保持にはおすすめです。
ただし、猫背をはじめとした不良姿勢を本気で何とかしたいのであればマットレスを見直すだけでは意味がありません。
日頃の姿勢・体の使い方・椅子の座り方など気をつけなければならないことは山ほどあります。
子どもにはどっちがいい?
どちらでもOKです。
ただし、熱がうまく放散できないものはNG。通気性がよくない素材のものや、体にフィットし過ぎるものはおすすめできません。
入院ベッドで使われているのはどっち?
どちらも使用されています。
「入院中に使用していたマットレスがよかった」と口にする人は少なくありません。
ただし、入院中に使用されているマットレスは病院ごとで異なるうえに症状や状態によっても異なります。
一般的には、硬めのマットレスが使用される場合が多いですが、支援が必要な場合は褥瘡予防の観点から低反発が使用される場合もあるため一概にはお答え出来ません。
夫婦で意見が分かれている場合はどっちに合わせるべき?
高反発マットレスに合わせるべきです。
ここまでの解説をご覧いただければわかるとおり、高反発の方が多くのメリットがあります。
それでもお互いの意見が分かれている場合は、別々で寝るという選択肢がおすすめです。
正直なところ、ふたりで寝るよりも、ひとりで寝る方が、寝返りが自由にうてる点や不要に起こされる心配がない分眠りの質は高くなります。
そのため思いきって「別々に寝ようよ」と提案してみても良いかもしれません。
枕はどっちがいい?
基本、高反発ですが、サイズを重視してください。
枕においても、低反発のように熱がこもりやすいものは睡眠の質に影響を及ぼすためおすすめしません。
ただし、それよりもサイズが大切です。
枕は、サイズが大きく肩や背中まで支えてくれるものを選ぶようにしましょう。寝返りのことを考えて横幅もワイド設計の枕がおすすめです。
また、低反発マットレスを使用しているからといって、枕も同じものを使用する必要はありません。
高反発マットレスでよくある間違い
高反発と低反発マットレスは、さまざまなブログ・レビューサイトが紹介をしています。
しかし、なかにはよくある間違いをしてしまっているものも含まれているため注意が必要です。
以下ではいくつかピックアップしてよくある間違いを正していきたいと思います。
腰痛が根本改善する

高反発マットレスで眠ると腰痛がよくなるって聞きました!
ホントですか??



マットレスだけで腰痛がよくなれば医者も、我々柔整師も仕事がなくなっちゃいます(汗)
でも、マットレスを含めた寝具が大事であることも事実ですよ。
高反発だけで腰の悩みが解消するわけではありませんが、理想的な寝具を使用することは大切ですね。



でも朝起きて腰が痛いのはマットレスのせいでしょ?
だったら、良いマットレスに買い替えたら腰が良くなるのでは?



朝起きたときの腰の痛みは、一概にマットレスだけのせいとも言えないんですよ。
生活リズムが悪くなることや、眠る前にブルーライトを浴びすぎたりすることで眠りの質が下がってしまい、朝の腰痛につながることもあるんです。



色々と見直すことが多くて大変そうですね…。
でも、できることからやってみます!
翌朝、体が痛くなったから自分に合わない



高反発マットレスに変えた翌朝に体が痛くなったんです!
これって自分に合っていないってことですよね?



よくある認識ですが、まったくそんなことはありませんよ。
まず、これまで使用していたマットレスよりも硬いマットレスの場合、翌朝に痛みがでることはよくあることです。ただし、これはあくまでも今まで違う硬さによる反応で、筋肉痛みたいなものです。



でも、良いマットレスは体に良いんでしょ?
痛みがでるっておかしくないですか?



人は良くも悪くも現状の体を維持しようとします。そのため、いつもと違う環境にさらされると拒否反応を示してしまうのです。フカフカのソファーよりも硬いソファーの方が体に良いのに、普段フカフカのソファーに座っている人が硬いソファーに座ると腰やお尻が痛くなるのと同じ反応と言えます。



なるほど。
じゃあ、しばらく寝てみないとわからないってことですね!
腰が浮くマットレスはダメ



高反発でも腰が浮いちゃうマットレスはダメって聞きました!



実は、腰が浮くこと自体はさほど問題ではありません。
だって、背骨はまっすぐではなく軽くカーブをしているので、腰の部分は寝たときに浮くのが当たりまえですから。



いや、、だからこそ浮いた部分にマットレスがフィットする方が良いんでしょ?(この人大丈夫かな…)



その考えもあります。
ただし、体のすべてにマットレスをあてがうことが本当に体のためになるのでしょうか?わたしは過保護すぎると思います。
現代は、体への負担を軽減するものばかりで、結果それが弱い体を生んでいる気もするんです。
今回の質問でいえば、腰が浮くことは問題ではなく、お尻や背中などの接地面の圧が強い部分の緩衝に目を向けて欲しいですね。
よく使われる言葉でいうと「体圧分散」です。



体圧分散ってよく聞きますよね!
つまり、圧が掛かりやすい部分に負担を掛けないことが大切なんですね!
整骨院で日々検証をしています


体の不調と眠りは切っても切り離せないほどの関係です。
みなさまのお悩みが少しでも解消されるように、わたしも整骨院で日々施術を行いながら、眠りについての検証・勉強をしてお伝えさせていただいております。
頭痛、腰痛、肩こり、首こり、膝痛。なにをとっても、眠りを含めた日常生活の問題点を解消することで快方へと向かう可能性が高くなります。
そんなお悩みの解消に、わたしの記事が少しでもお役に立てれば幸いです。
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