手を挙げて寝ると気持ちいいけどダメなの?
バンザイ寝はどんなデメリットがあるの?
日常の寝姿勢を気にしたことはありますか?
「手を挙げて寝る」、いわゆるバンザイ寝をしている人は意外と多いのです。わたしも、15年間整骨院を経営していますが「手を挙げて寝ています」という声をよく耳にします。
専門的な立場から言わせていただくと、一見リラックスしているように見えるバンザイ寝ですが、実は体に負担をかけ、肩こりや睡眠の質低下など、さまざまな問題を引き起こす可能性があります。
それでも、気づくとバンザイ寝になってしまう人も少なくないでしょう。
本ページでは、バンザイ寝の心理的な背景や、体に与える影響を掘り下げながら、バンザイ寝をやめるための具体的な対策も紹介します。
健康な睡眠を手に入れるために、今の寝姿勢を一緒に見直していきましょう。
手を挙げて寝る(バンザイ寝)はデメリットだらけって本当?

手を挙げた状態、いわゆる「バンザイ寝」で眠る人は意外と多いものです。
冒頭でも述べたとおり、この寝方には気持ちよさを感じる人もいますが、実は体にさまざまな負担をかける可能性があります。
以下では、そのデメリットについて詳しく解説していきます。
肩こりになりやすい
バンザイ寝は、肩こりを引き起こすやすい寝方です。
手を挙げるという動作は構造上、肩の筋肉が引き伸ばされるため、血流が滞るリスクがあります。
そのため、バンザイ寝の状態が長時間続くと、肩こりや首のこりを引き起こす可能性が高くなるのです。
また、翌朝目覚めたときに肩周辺の重だるさを感じることも少なくありません。
特に、デスクワークやスマホ操作で肩が凝りやすい現代人にとって、この負担は蓄積しやすく、症状が慢性化するリスクもあります。
腕や手が痺れやすい
手を挙げたまま寝ると、腕や手へが痺れやすくなります。
理由は、肩こりのメカニズムと同じように血流が悪くなるためです。
特に、長時間バンザイ寝が続くと、しびれが強くなり目覚めた後も違和感が残るようになります。
また、手や指に力が入りにくいなどの症状を感じる人もおり、日中の家事や仕事にも影響が出る可能性もあります。
呼吸が浅くなりやすい
バンザイ寝は呼吸が浅くなりやすいというデメリットがあります。
バンザイ寝は、手を挙げることで胸郭(胸の骨格)の動きを制限しやすく、結果として呼吸が浅くなる傾向があります。
寝ている最中に呼吸が浅くなると、疲労回復に大きな影響を及ぼすのは一目瞭然です。
特に、睡眠中は深い呼吸が必要なため、この影響は睡眠の質全体にも直結します。
酸素供給が不足すると、体内の代謝が鈍り、免疫力の低下や朝のだるさにつながることがあるなど、呼吸が浅くなることで様々な悪影響を及ぼす可能性があるのです。
首に負担が掛かる
バンザイ寝は首への負担を強くします。
手を挙げた姿勢では、自然な首のカーブが崩れる傾向にあります。
もちろん、枕の影響も強く関係しているため、バンザイ寝だけが首への負担を強くしているわけではありません。
ただし、両手を挙げるという動作の構造上、首や肩の筋肉が引き伸ばされるため、頸椎(首の骨)がその影響を受けることは確かです。
背中を痛めやすい
バンザイ寝は背中を痛めやすいデメリットがあります。
手を挙げて寝るという姿勢は、背骨が不自然なカーブを描きやすく、背中全体の筋肉や骨格に余計な負荷がかかります。
その結果、筋肉が緊張しやすく、背中の痛みや腰痛を引き起こす原因となります。
特に筋力の弱い人や運動不足の人は、バンザイ寝で背中を痛めやすいため注意が必要です。

睡眠の質が低下する
ここまでのデメリットから、バンザイ寝は結果的に睡眠の質を低下させるデメリットがあります。
睡眠の質の低下は、「体を休める」という睡眠の根幹に関わります。
睡眠の質が低下することで、体が回復せずに翌日を過ごすことになり、次第に疲労が蓄積され様々な健康問題に発展しします。
手を挙げて寝るという何気ない姿勢が、自身の体に大きな悪影響を及ぼす可能性があることを少しでもご理解いただけますと幸いです。

なぜバンザイ寝をしてしまう?気持ちいいから?その心理とは

無意識のうちにバンザイ寝をしてしまう理由には、心理的な要因や日常の姿勢が関係しています。
以下では、なぜ人がバンザイ寝を選ぶのか、その背景にある心理や身体的な要因を詳しく解説します。
強いストレスを感じている
バンザイ寝は、強いストレスを感じている人が無意識にとりやすい姿勢です。
ストレスを感じると、当然ながらストレスを解消させようとする行動をとります。
手を挙げると胸が開き、リラックス感を得られる傾向にあるため、ストレスを感じている方は防衛反応として手を両手を挙げる傾向にあるのです。
ストレスが強いほど、バンザイ寝が強く表れる傾向にあります。
猫背姿勢で過ごすことが多い
猫背で過ごす時間が長いと、バンザイ寝をしやすくなります。
日中の姿勢が悪いと、体が自然とそのバランスを取ろうとして、寝ている間に胸を開く姿勢を取ることがあります。
特にデスクワークやスマートフォンの操作が多い現代人では多い傾向と言えるでしょう。
オープンな性格
バンザイ寝をする人は、オープンな性格である場合が多いです。
この姿勢は心理学的に「自己開示」を象徴するものであり、リラックスしやすい環境にいる人が取りやすいとされています。
ただし、体にとっては負担が大きいため、性格による習慣であっても見直しが必要です。
手を挙げて寝る(バンザイ寝)をやめるための対策
バンザイ寝を改善するためには、以下の方法をお試し下さい。バンザイ寝をやめるための実践的な方法を解説します。
ストレスを解消する
ストレスを解消することは、バンザイ寝をやめるために非常に重要です。
とは言え、ストレスを解消させることが難しいことは重々承知しています。それが出来れば苦労はしませんよね。
しかし、何も試さないのも違います。出来ることはすべてやってみましょう。
例えば、深呼吸や瞑想、軽い運動を日常に取り入れることで、心身をリラックスさせる効果が期待できます。
また、自分の好きな趣味やリフレッシュできる時間を意識的に作ることも、ストレス軽減に役立ちます。
ひとつずつ出来ることから試してましょう。
スマートフォンやパソコン作業の時間を短くする
スマートフォンやパソコンの作業時間を短くすることも大切です。
長時間スマートフォンやパソコンを使用していると、体全体のバランスが崩れ、バンザイ寝の原因になることがあります。
適度に休憩を挟みながら作業を行い、画面を見続ける時間を減らすよう心がけましょう。
また、作業後にはストレッチを行い、体の緊張をほぐすと効果的です。
生活サイクルを整え睡眠の質を向上させる
規則正しい生活リズムを整えることで、バンザイ寝の改善につながります。
決まった時間に寝起きし、就寝前にリラックスできる環境を整えましょう。
特に、休日と平日の起床時間の差(ソーシャルジェットラグ※1)をなくすことが睡眠の質を整えるためには大切です。
さらに、自分に合った枕や寝具を選ぶことで、無意識にバンザイ寝になるのを防ぐことができます。
※ソーシャルジェットラグについて(厚生労働省「知っているようで知らない睡眠のこと」から
寝方を見直して効率の良い睡眠目指そう!
そもそも、このページをご覧いただいている方は、自身の睡眠に関して少なからず興味だったり、改善したいという気持ちをお持ちの方だと思います。
この考え自体は素晴らしいもので、健康的な体で生活を送り続けるためには睡眠は非常に大切であることは間違いありません。
しかし、寝方を見直すということは思っている以上に大変で困難です。
本サイトでは、そんな方々のお役に立てるよう有益な情報をお伝えさせていただきます。
また、コメント機能から相談も随時受付ていますのでご活用ください。
本業(整骨院を経営)の合間に返信をさせていただくため、多少の時間を要する場合がございますが気長にお待ちいただけますと幸いです。
ご質問&ご相談