腰痛対策のコルセットは寝る時も巻くべき?柔道整復師が解説

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寝る時ってコルセットは外したほうが良いの?

コルセットを巻いて寝たら腰痛が改善しやすくなる?

15年以上整骨院を経営をしていると色々な質問をいただきますが「寝る時にコルセットを巻いたほうが良いのか」という質問は結構な人から受けました。

本ページでは、同じように寝る時のコルセットについて疑問をお持ちの人に、柔道整復師がわかりやすく解説させていただきます。

ご自身の症状や状態と照らし合わせてご覧ください。

目次

腰痛対策のコルセットは寝る時に巻くべき?外すべき?

外されて置かれたコルセット

腰痛対策としてコルセットを巻いている場合、寝る時にコルセットを巻くべきか、外すべきかの判断は症状や状態によって異なります。詳しくは以下をご覧ください。

慢性腰痛の場合は「必ず外す」

慢性的な腰痛の場合、寝る時にコルセットは必ず外すようにしましょう。

慢性的な腰痛では、寝る時以外の日常生活でもコルセットを巻く必要はありません。

コルセットを巻く人の中には「コルセットを巻くと腰痛が治る」という考えをお持ちの人も多く、このような人たちの中には寝る時もコルセットを巻けば腰痛が治るのでは?と考える人もいます。

しかし、コルセットはあくまでも、その場の痛みや不安定さを解消する用具であり、腰痛の根本を解消するものではないため、寝る時にコルセット巻く必要はありません。

必要がないどころか、寝る時にコルセットを巻くと、体が過保護な状態になり、腹筋や背筋の低下につながるリスクもあるため必ず外すようにしましょう。

ぎっくり腰の場合は「必ず外す」

ぎっくり腰のような急性の腰痛の場合においても、寝る時にコルセットは外すようにしましょう。

ぎっくり腰では、体を少し動かすだけでも腰に激痛が走ることがあるため、「寝ている時に体が動いてしまわないようにコルセットを巻くべきでは?」といった質問をいただきますが、そんなことはありません。

そもそも、体を少し動かすだけでも腰に激痛が走るといった状態の場合、体はそのことを認識しているため寝ている時に下手に体を動かすような行為はしません。そのため、コルセットで腰を守ろうとしなくても十分に自身の防衛反応が働くようになっています。

また、ぎっくり腰においても腰を過保護にし過ぎることは改善の遅延や再発の可能性を高めるリスクがあるため、日常生活においても動けるようになったタイミングで積極的にコルセットを外すことをおすすめします。

ヘルニアの場合は「外す」

ヘルニアに関しても基本的には寝る時のコルセットは外すようにしましょう。

ただし、症状の酷い場合や医療機関においてヘルニアの手術を受けたあとのコルセット着用については担当医の判断に従うようにしてください。

一方、保存療法の適用になったヘルニアに関しては、寝る時のコルセットは外すようにして腰が過保護になり過ぎないようご注意ください。

骨折の場合は「専門医の判断」に従う

胸腰椎圧迫骨折など、骨折の場合の寝る時のコルセット着用は状態によって判断が異なるため、必ず専門医の判断に従うようにしましょう。

特に、骨折の場合はコルセットといっても、みなさんが想像している簡易的なものではなく、大きく重装備のものが使用されるため着脱が簡単にはできない場合があります。

画像引用元:株式会社徳田義肢製作所

そのため、寝る時に外したくても外せない場合などもあり、そのような状況でどのようにした生活を送ることがベストなのかを予め専門医に相談しておくことが重要です。

腰痛対策のための正しいコルセットの使い方

正しいコルセットの使い方を知っておくと、今後の腰痛対策に役に立つことがあります。

コルセットの正しい付け方と外すタイミングを解説

一般的なコルセットの付け方は、腰のあたりにボコッと出た骨があり、その位置を真ん中としてコルセットを巻くようにしましょう。

よく、ウエストに巻いている人を見掛けますが、コルセットは腰椎に加えて骨盤の動きの抑制も必要になるため、腰骨を中心として巻くのがおすすめです。

最近のコルセットには巻き方の説明書が付属されているものも多いため、必ず確認するようにしましょう。

コルセットは強く締め付け過ぎると血流を阻害してしまうリスクがありますが、あまりにも弱い力で巻いても効果がありません。適度にベルトを締め付けて安定を感じる強さで巻くようにして、途中で気分が悪くなったり、足へ痺れが出てきたりした場合は直ぐにコルセットを外すようにしましょう。

コルセットを長時間使用する時の注意点

コルセットを長時間使用する際には、その取り扱いに慎重を期す必要があります。

まず、コルセットの素材やデザインによっては、長時間の使用で皮膚にかぶれや擦り傷が生じる場合があります。

そのため、装着する際には肌に直接触れさせないよう、薄い衣服の上から装着するようにしましょう。

また、長時間のコルセット使用は、自身の筋肉が弱化し依存状態に陥りやすくなることを肝に銘じておくことが大切です。

筋肉の弱化は、当然ながら腰痛の根本的な改善を遅らせます。そのためコルセットの長時間使用は出来る限り避けて、こまめにコルセットを外す習慣をつけることをおすすめします。

コルセット以外の寝る時の腰痛対策

寝る時の対策としてコルセットの着用は殆どの場合でおすすめできないことはご理解いただけたと思います。

では、コルセット以外で効果的な寝る時の腰痛対策とはどのようなものがあるのでしょうか。以下で詳しく紹介していきます。

適切なマットレスの使用

適切なマットレスで寝ることは、腰痛対策に効果的です。

ここで述べる適切なマットレスとは、マットレスの品質自体も当然該当しますが、最低限以下のようなマットレスを使用することが望ましいでしょう。

  • へたりがない
  • 凹みがない
  • カビがない

意外と長く使用されているマットレスの中には上記のようなマットレスがあります。

このようなマットレスを使用していると、睡眠中の体の負担が大きくなり腰痛を悪化させてしまうリスクがあるため、まずは現状のマットレスの確認から行うことをおすすめします。

マットレスの品質に関しては、以下の特集記事で詳しく紹介していますので併せてご覧ください。

クッション&タオルの使用

寝る時に腰が痛い場合、クッションやタオルを腰の下に敷くと腰痛が軽減することがあります。

注意点は、クッションやタオルの高さを人のよって異なりますが、通気性の良い素材を使用するようにしましょう。

密閉性の高いクッションやタオルを使用すると、腰に熱がこもり過ぎてしまい返って腰痛を悪化させてしまうリスクがあるためご注意ください。

また、腰の下にタオルを巻く以外でも、膝の下にクッションやタオルを敷いてあげることで腰が浮くのを防げるため腰痛緩和には効果的です。

自己判断厳禁!専門医への相談を忘れずに

コルセットがネット通販でも気軽に購入することが出来るため自己判断で着用している人が多くいらっしゃいますが、専門医への相談を忘れずにしましょう。

たかがコルセットひとつでも、巻き方や巻くタイミングを誤れば腰痛を悪化させてしまうリスクがあります。

腰痛対策として購入したコルセットで腰痛を悪化させてしまうという本末転倒な結果にならないように、コルセット着用に前には専門医、または整骨院(柔道整復師)などに相談を欠かさずにするようにしましょう。

この記事を書いた人

中村匠のアバター 中村匠 ゆらぎ整骨院 代表

整骨院歴15年以上(柔道整復師資格保有)。「腰痛解消には眠りから」の理論で、延べ2万人を超える腰痛施術にあたる。多くの人に腰痛解消のための眠りの知識を身に付けて欲しい想いで「ゆらぎの眠り」を開設。

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